ただの友人だったはずなのに、既婚者が突然妻を捨ててストーカーに…。冷静さと強い気持ちと友人や恋人の存在のおかげで打ち勝てた話

ただの友人だったはずなのに、既婚者が突然妻を捨ててストーカーに…。冷静さと強い気持ちと友人や恋人の存在のおかげで打ち勝てた話

【性別】女性
【年齢】(ストーカー被害を受けた当時)
37歳
【職業】(ストーカー被害を受けた当時)
団体職員

【住まい】(ストーカー被害を受けた当時)
アパートに一人暮らしをしながら、教育関係の仕事をフルタイムでやっていました。





【ストーカーされる前の日常生活】
趣味があり、そのつながりの友人知人、学生時代からの友人、前の職での同僚などと交流がありました。
とはいえ、密な友人知人はあまり多くはなく、定期的または頻繁に顔を合わせるのは実際には3〜4人ぐらいでした。
そんな中、10年付き合った彼氏(別れた時点では遠距離)と別れました。
しばらくは憔悴しきってヨレヨレになりながら生活していましたが、趣味の関係で定期的(週1〜2回)顔を合わせる友人の男性が心配して声をかけてくれたのですが…




【ストーカーに気付いたきっかけ】
おかしいなと思ったのは、最初、相手のSNSのヘッダーやプロフィールの画像がなぜか私の後ろ姿や顔が写っていない写真になった時です。
初めて確信になったのは、家(アパートの場所までで部屋ではない)にアポなしで訪問された時でした。

【ストーカーされた期間】
実際に不快や恐怖を感じるようになってからは半年、物理的にストーキングされていたのは1か月ほど、写真を撮られて許可なくSNSに使われていたり潜在的なものを含めると約1年半




【ストーカーに気付いた時の心境】
一番は恐怖でした。
今まで感じたような恐怖とはちょっと違うタイプのものだと思います。
頻繁にアパートの前で見張っていれば、部屋番号まで突き止められるのは時間の問題だと思ったので、部屋に何か仕掛けられているのではないか、姿や車は見えないけれど監視されているのではないか、という「見えない・存在するか定かでないもの」に対する恐怖が大きかったです。
同時に「奥さんを追い出してまでこんなことして何になるんだろう」という気持ち悪さと呆れもありました。




【ストーカーはどんな人か】
相手は男性で、もともと趣味関係での友人でした。
もともと週に1〜2回練習場で顔を合わせ、たまに共通の友人知人複数で遠征したり、という程度の間柄でした。
外見は実年齢よりも若めで、当時43歳です。
職業は普通の会社員で、性格はあまり詳しく把握していませんでしたが、古風な考え方を守りつつ、新しいものも好きというスタンスで、10歳以上年の離れた私がはやりものを教わるようなこともありました。
私が10年付き合った彼氏と別れて憔悴しきっていた時「本当はずっと好きだった、結婚まで考えたうえで付き合いたい」と言われました。
ただ、その相手は既婚者で、奥さんは私とも面識がありました。
当時の精神状態もありとても気持ちを揺さぶられましたが「気持ちはうれしいけど、あなたには家庭があって今は実際にそうなるのは難しいだろうから、いつかもしも自然な形でそうなる時があれば、その時はよろしく」と答えたのですが、これがいけなかったと思います。
私にとっては「結婚している人とそういう関係にはなれないよ」ということを相手を傷つけないように(実際、数少ない頻繁に顔を合わせる友人の一人だったので、気まずくなりたくはない、このまま友人でいられる断り方を、と思っていました)と考えたつもりでしたが、甘すぎたと思います。
相手は「奥さんと離婚する意思を見せれば付き合ってくれる」ととらえたようでした。




【具体的にされたこと】
相手が既婚者だという理由で告白を断ってから1か月後、奥さんにいずれは離婚する意思を伝えて別居開始した旨を告げられました。
そしてそこから間もないある日の夜「差し入れにケーキを買ってきたから家に寄っていい?」とLINEが入りました(共通の友人たちと出かけたりしていた関係で、部屋までは特定されていないけどアパートの場所は知られていた)。
別居のくだりから不気味に感じていたのと夜のアポなし訪問だったのとで「体調が悪い」と断りましたが、その後4〜5時間ほどその場に居続けていたようで、アパートに出入りする人や車を逐一「見覚えのある車がある」「本当は〇〇さんが部屋にいるんじゃない?」など勝手な妄想でのLINEが次々送られ、SNSにも同じ内容を連続投稿しつづけました。




【相談と助けてくれた人】
共通の友人知人に相談しようかと思いましたが、事を荒立てれば報復があるのではないかという恐怖と、突然離婚予告と別居を言い渡された奥さんが私の事を怪しんでいる(頻繁にアパートに来られたために浮気相手ではないかと疑われたのと、SNSのアイコンやヘッダーが私の写真になっていることから)と知り、どうやっても事を荒立てて逆恨みされる可能性があり、なかなか第三者には相談できませんでした。
一番助かったのは、共通の友人知人ではない新しい彼氏(当時はまだ彼氏になる前の段階)の存在でした。
同じく共通の趣味のつながりで、ただ二人でどうこうだけではなく趣味の関係の新しい友人を紹介してもらったりしていたことで、自然な感じで相手と距離を置くことができるようになりました。
そうして過ごしていくうちに、前の彼氏と別れてか時間が過ぎていったことにより私自身が気持ちを強く持てるようになったこと、また、既婚の身である相手に対して、新しい彼氏は独身彼女なしだったため、新しい彼氏のことを悪く言われても、ある程度冷静に反論できるようにもなりました。
そして新しい彼氏と正式にお付き合いが始まり、ストーカー行為が始まって半年後、やっと相手との共通の友人知人にも話せるようになりました。
誰の言葉、というより、存在してくれることがありがたかったです。




【ストーカー対策】
帰宅時は、一度アパートの周り、付近の空き地や駐車場を軽く確認してから帰るようにしました。
また、SNSへの投稿も、当たり障りのないもの(家族とのことや相手と面識のない友人のことなど)にとどめ、画像は控えめで場所などの情報がわからないものだけ、としていました。
実際にどうだったかはわかりませんが、体感した回数が多かったのは物理的なつきまといよりもSNSでの中傷や監視していることを匂わせる発言のほうだったので、できるだけネットに流れる情報は控えめにするようになりました。
また、反対に相手のSNSもこちらから定期的にチェックして、居場所や行動は最低限把握して遭遇しないように気を付けていました(これはもはやこちらがストーカーみたいですが)。
これは偶然のおかげですが、アパートの隣人が生活リズムが同じ(出勤・帰宅時間がほぼ一緒)な上に見た目がいかつかったため、本当に最悪の時は大声を出して助けを呼ぼう、と心の支えにしていました。




【強烈な出来事】
強烈というほどではありませんが、共通の趣味のとある競技の練習中の動画を知らないうちに録画されていて、タイトルをつけたり編集してDVDにまとめたものを渡されました。
確か3回くらい。
当時は何が入っているかわからないので怖くて確認しませんでしたが、2〜3年過ぎて、新しい彼氏と部屋を掃除していたらたまたま出てきて、怖いけど見てみようとなって、一緒に確認しました。
開始数秒にして二人とも背筋が凍りました。
他のものも再生して数秒で止めて、全部刻んで捨てました。




【解決のきっかけ】
始まりから終わりまで通して言えるのは、共通の友人知人の存在が、抑止力になっていたことだと思います。
また、別居中の奥さんの存在も抑止力としては大きかったと思います(別居中に他の女性にストーカー、なんて知れたらその後が大変なはずなので)。
そのおかげで、暴力や犯罪行為などには及ばなかったことがベースにあるため、こちらも冷静に対応する余裕が生まれてきたことだと思います。
冷静になってかまってちゃんや匂わせのような発言は徹底して無視し、それを気にしているような雰囲気も出さないようにできるようになってくると、自宅付近の監視(気付いたもの)もSNSでの発言、ヘッダー・アイコンの画像、LINEでの執拗な問い詰めなどの行為もおさまってきました。




【ストーカーのその後】
その後相手は、私との共通の趣味をすっぱりやめ、共通の友人知人たちとも一斉に縁を切り、奥さんと再び一緒に暮らし始めたようです。
が、SNSで知り合った既婚女性に、かつて私にしていたことと同じようにヘッダーやアイコンにその女性の体の一部の画像を設定したりしていました。
その後奥さんとは結局離婚し、今はSNSで知り合った遠距離の20歳以上年下の女の子と付き合っているようです。




【現在の生活】
解決してからはもう5年が過ぎました。
私は、当時の「新しい彼氏」と今もお付き合いしていて、この春から一緒に暮らしながら結婚に向けて準備を始める予定です。
付き合い始めて間もなく、事情を知っていた新しい彼氏が暇なときは極力私の家にいてくれるようになったため、物理的なストーカー行為も感じなくなりましたし、何より、相手が私ではない他の女性に入れ込んでいることがわかっているので、まったく心配はしていません。
安心しています。
今は、ただ平和で人並みに幸せな生活をさせてもらっていると思います。

【学んだこと】
異性からの好意や告白などは、相手を傷つけたり気まずくなってしまうことを恐れず、ダメなものはダメとはっきり言うべき。



【当時の自分へのアドバイス】
友人だからといって、安易に家の場所を教えないこと。
結婚しているから大丈夫、結婚しているから変な気は起こさない、安易な行動は起こさない、とはならない。
どんな人でも簡単に信用しないこと。
見えないところで何をやっているかはわからない。
あと、ストーカーに家まで来られてしまった時に助けを呼びやすいように、近所付き合いは大切に。
挨拶だけでも。